SDGsへの取り組み
SDGs
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、世界中の様々な課題を解決するために国連が定めた2030年までに達成すべき17の目標です。
当法人では、その17の項目のうちの4番「質の高い教育をみんなに」に特化をした取り組みを行います。
質の高い教育をみんなに
SDGsの第4項目「質の高い教育をみんなに」は、すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進することを目的として作成されたゴールです。
世界共通の目標ですので、「2030年までにすべての男女が無償で初等・中等教育を修了すること」が第一目標です。
全世界で質の高い教育を受ける制度や仕組み作りのために掲げられた目標となります。
一般社団法人ネオパレットでは、今現在在る日本の教育スタイルの改善を目指し、日本の未来を創る子ども達へ向け次世代の教育の場の支援を行います。
日本に於ける「教育」への意識
「質の高い教育」とありますが、まず何を以って「質の高い教育」であるかという共通認識が我々教育従事者にあるべきだと考えます。
まず多くの方々が思いつくことのひとつとして、上記の記述にもある通り、”無償”で初等・中等教育を修了するという金銭的な面なのではないでしょうか。
無料塾等の非営利の教育機関と聞くと「貧困対策」と結びつける大人が非常に多いと感じます。
これは、決して間違いではありません。
現に、日本では*相対的貧困が問題視されており、こうした貧富の差等で苦しむ人々をなくすこともまた、教育の推進に繋がります。
*相対的貧困…生活や生命を維持することが難しいというわけではないが、国の生活水準や文化水準を下回る状態であること
しかし、多くの現場を見ると大半の大人が「貧困」という言葉ばかりに持っていかれ、本来見るべき「子ども達の現状」を見ることができていないという事実があります。
上記のように大きくとりまく問題を掲げることも、見ることも大切ですが、私たち一人ひとりがまず身近に感じられる足元の現状に目を向けることが極めて重要です。
子ども達の現状とは「貧困」と「教育」を大衆が無意識に子ども達に押し付け、そこに当てはまる彼らは「貧困だから学べない」という特殊なレッテルを貼られたように感じてしまっているということ。
そしてこの無意識の格差こそが「教育」を受ける子ども達に直接心身の影響を及ぼしているという現実があります。
現に、無料塾等の非営利教育団体の支援をする我々が現場で目の当たりにしている状況です。
多感である学生たちは「無料塾=貧困層だから教育を受けられない」と掲げている場所には行きたがりません。
こうした問題はデータだけを基に教育の改善論を語ったところで解決はされません。
我々が何よりも目を向けなければならない部分。
それは、「現場」です。
子ども達の為にどのような空間を創り出していくのか、そしてそこにはどのような人材が必要なのか。
一般社団法人ネオパレットではこうした大衆の意識格差を見直すところから始めていきます。
日本社会の現状を見据える
SDGsは世界の共通目標ということですが、国ごとに、まずは足元から日本の社会の在り方を把握せずには「教育」は語れません。
そこで我々が次に目を向けるべき事柄は「従来の教育を受けて社会に出た大人たちが作る社会の現状」だと考えます。
海外へ行き、日本の豊かさ、治安の良さがわかるといった声も多く聞かれることがあるように、日本は殺人発生率の低さや、銃の購入が難しいこと、高速列車などの交通手段の整備がされていることから安全率は世界でトップクラスです。
ですが今や日本社会は先進国G7の中で自殺率が1位、国連が実施している世界幸福度調査でも先進国としては決して高い順位に位置していません。
そして人生評価において楽しいか・辛いかという主観質問への解答である「主観満足度」が非常に低い国としても発表されています。
我々は、その内情を把握すべく日本社会で働く大人たちの現状について思考する必要があります。
我々日本人がまず思いつく日本社会の現状は良いものばかりではありません。
それどころか、マイナス面を多く指摘する声が大半なのではないでしょうか。
多くの人々が仕事というものを「生きるためにお金を稼がなければならないもの」として受け取っています。
そしてその意識を持ちながら働き、生きることが果たして本来の幸せなことなのかは未だ懐疑的です。
「生きる」本質、「この世に存在する」本質を見据えて幸せに生きていると感じている人はこの日本社会にどれほどいるのでしょう。
この社会を改善できるのは言うまでもなくそこに存在する”人”と”空間”が非常に重要な役割を果たします。
教育が社会を変える
我々は、そんな日本社会の現状を変えていくことが出来るのはこれから大人になり社会を支える学生たちの存在ではないかと考えます。
良い学校へ行き、成績優秀で、大企業に入り、安定をすること。
これらが従来良しとされてきた教育の風習です。
日本の教育に於ける現状は、それは学校での試験で高得点を取ること、偏差値が高いこと、学歴があるということです。
しかし、分からないことを良しとしない学校教育の中ではテストで悪い点数を取れば叱られ、教科の成績が悪いと出来が悪いと判断される。
失敗が悪だとされているこの世界では、誰も挑戦したがらない。
自分の意見を発するどころか、考えることを止めてしまう。
分からないことに蓋をし、分からないままにする。
こうしてただ従うだけが、一番楽な世界が出来上がります。
そしてそんな学校社会で開き直った彼らは、自分に自信も存在価値もないように感じる。
その結果、こうした成績ベースで子どもを図る日本の学校社会において、子ども達は「勉強嫌い」になっていくのです。
そうするとそこから生まれるものが「強制」です。
しかし強制をされるとますます子ども達は「教育」から遠ざかります。
果たしてその教育を、学びを子ども達から遠ざけているのは、誰なのか。
まずはこの国の未来を創る学生たちに。
教育従事者、そして我々大人を見て育つ彼らに私たちが何を示せるのかを一考していただきたい。
子ども達は本来、もっともっと、学びたい。
もっともっと、新しい世界を見たい。
そして知らないことを知る喜び、出来るようになった達成感、そして自分自身の可能性を誰よりも感じたいはず。
この素晴らしい日本という国の未来を創造していく彼らへ。
本来の「教育」を通して子ども達が将来、一人ひとり美しく輝くことができるような社会へ。
一般社団法人ネオパレットでは現在の日本社会の現状を見据え、本来の「質の高い教育」の追求・普及に向けて活動しています。